序・百八煩悩のこと

先日、大量のポンポコラーメンを購入したので、108の煩悩に見立てて喰おうと思ったのですが、
108の煩悩って何ぞや?と思い、ウェブを検索してみた。


煩悩はわかる気がする。
外人がよく言うアレ



ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。



ウィキペディアによると煩悩の数は、

時代・部派・教派・宗派により数はまちまち

煩悩 - Wikipedia

なんだそうだ。


百八ってのは、倶舎論*1の煩悩の列挙例で、九十八随眠(ずいめん)*2十纏(じってん)*3を加えて108と数えるそうだ。
キリスト教の七つの罪源みたいに「傲慢」「嫉妬」「憤怒」……と単純に数えるモノでは無いみたい


ふーむ、なんか面白そう。
引き続きウェブ検索して幾つか読んでみた。
宗派とかで微妙に異なるみたいだけど、個人的にまとめてみたよ。
(年末にあわせてエントリアップしてたら、少しはタイムリーだったんだろうけど、
 なんかそーゆーの、恥ずかしくて苦手なんスよ。)


煩悩

仏教の教義の一つ。
身心を乱し悩ませ、智慧(ちえ)をさまたげる心のはたらき。
 →人間の悩みの原因となる欲望

煩悩の数

時代・部派・教派・宗派により数はまちまち。
倶舎宗では 88 と 81 (88+81=169)
唯識宗では 112 と 16(112+16=128)


倶舎論の列挙例では、九十八随眠に十纏を加えて108と数える。

九十八随眠 −根本煩悩・三毒と六隋眠と十の煩悩−

修行によって消しうる根本煩悩を修行の段階に応じて列挙したものを九十八随眠(ずいめん)と言う。


根本煩悩を大きく6つに分けて六隋眠とも言う。

  1. 貪(とん) むさぼりの心
  2. 瞋(じん) 怒りの心
  3. 痴(ち) おろかでわからずやの心
    (この3つを三毒三悪と言う*4
  4.  不信の心
  5.  他と比較して高ぶったり卑下(ひげ)する心
  6. 見(悪見) こだわった物の見方
    このはさらに5つに分類できる。
    1. 有身見(うしんけん) 我執の心。我が身と人の身、我が物と人の物、をきびしく分かつ心
    2. 邊執見(辺見:へんけん) 一辺に固執する心
    3. 邪見(じゃけん) 因果を否定する心
    4. 見取見(けんじゅけん) 自分の考えに固執する心
    5. 戒禁取見(かいこんじゅけん) 自分の行動に固執する心

これらを合わせて十煩悩(十隋眠)と言う。
この十煩悩を修行の段階で分けて九十八とする。

九十八随眠 −修行の段階での分類−

根本煩悩を修行の段階で分ける。大きく分けて見惑と修惑。

見惑(けんなく)
智慧(ちえ)による三界の四諦(後述)の煩悩を断ち切った修行段階を見道という。
その修行段階で断ち切るべき煩悩。
見道の地位をうると消える煩悩
修惑(しゅわく)
見道の位に達した後、具体的現象に対して繰り返し修行を続ける段階を修道という。
この修行段階で絶つべき煩悩。
一生涯起こりうる煩悩


そして見惑を三界に分ける。

  1. 欲界 欲望(色欲・貪欲・財欲など)にとらわれた生物が住む世界
  2. 色界 欲望を離れた清浄な物質の世界。しかし情欲と色欲はある
  3. 無色界 欲望も物質的条件も超越し、ただ精神作用にのみ住む世界

また各三界をそれぞれ四諦(したい)*5に分ける。

    1. 苦諦(くたい) 人が生きるということは苦であるという真理
    2. 集諦(じったい) その苦の原因は人間の執着にあるという真理
    3. 滅諦(めったい) この苦を滅した境地が悟りであるという真理
    4. 道諦(どうたい) その悟りに到達する方法は八正道*6であるという真理


見惑は (界) x (諦) で 十二 に分けられ、
これら十二を前述の六隋眠(六つの根本煩悩)のうち幾つかで分ける。
また、悪見(見)は前述五つのうち幾つかで分ける。*7
合わせて八十八となる。


修惑も三界と六隋眠(六つの根本煩悩)のうち幾つかで分ける。
分け方は

  1. 欲界  貪・瞋・癡・慢
  2. 色界  貪・癡・慢
  3. 無色界 貪・癡・慢

合わせて十となる。



こういった分類の仕方で九十八随眠となる。

十纏 −抹消煩悩−

枝末煩悩*8のうちでも重いとされるもの10種を十纏(じってん)と言う。

  1. 無漸(むざん) 内面的に恥じないこと
  2. 無愧(むき) 人に恥じないこと
  3. 嫉(しつ) ねたみ
  4. 慳(けん) ものおしみ
  5. 悪作(あくさ) 後悔
  6. 睡眠(すいめん) 眠りに陥らせる精神作用
  7. 掉挙(じょうこ) 精神的な躁状態のこと
  8. ※沈(こんじん、※はりっしんべんに「昏」) 精神的な鬱状態のこと
  9. 忿(ふん) いきどおり
  10. 覆(ふく) 罪をおおい隠すこと

百八の分類表

ここに百八の分類表がありました。
浄土真宗やっとかめ通信 - 仏教青年 Q&A 百八煩悩
わしは、ここを元にして今回のまとめを書いてみました。

以下引用

煩悩修行段階三界四諦六隋眠十隋眠累計
九十八随眠見惑欲界苦諦1
2
3
4
5
悪見有身見6
辺執見7
邪見8
見取見9
戒禁取見10
集諦11
12
13
14
15
悪見邪見16
見取見17
滅諦18
19
20
21
22
悪見邪見23
見取見24
道諦25
26
27
28
29
悪見邪見30
見取見31
戒禁取見32
色界苦諦33
34
35
36
悪見有身見37
辺執見38
邪見39
見取見40
戒禁取見41
集諦42
43
44
45
悪見邪見46
見取見47
滅諦48
49
50
51
悪見邪見52
見取見53
道諦54
55
56
57
悪見邪見58
見取見59
戒禁取見60
無色界苦諦61
62
63
64
悪見有身見65
辺執見66
邪見67
見取見68
戒禁取見69
集諦70
71
72
73
悪見邪見74
見取見75
滅諦76
77
78
79
悪見邪見80
見取見81
道諦82
83
84
85
悪見邪見86
見取見87
戒禁取見88
修惑欲界 89
90
91
92
色界 93
94
95
無色界 96
97
98
煩悩十の枝末煩悩累計
十纏無漸99
無愧100
101
102
悪作103
睡眠104
掉挙105
※沈(※=りっしんべんに「昏」)106
忿107
108
また、別の分類の仕方はここ等にありました。 広済寺オフィシャル・ホームページ - 百八煩悩について

まとめてみて

宗教に関する事は中途半端な知識じゃイカンなーと思いつつも、まとめてみました。
西洋系宗教はミッション系の学校に通ってた事もあって、さわり位は知っていたんだけど、
東洋系はさっぱりです。
専門の方から見れば不十分な説明だろうし、教派・宗派入り乱れて読んでたので間違いだらけかもしれません。



でも、ウェブだけでも法話とか読んでたら興味が湧いてきました。
分類表を見てても何かしらの法則があるように見えて、詳しく調べれば色々面白そう。
少し時間をかけて本を読んでみたいなーと思いましたね。
機会があったら、もう少し突っ込んでみようと思います。



何にせよ、次からは108ポンポコ完食を目指しますよー。



待ち構えている、たぬ先生たち




参考/引用元
Wikipedia - 煩悩
Wikipedia - 般若
Wikipedia - 三界
Wikipedia - 四諦
林泉寺坐禅会 - これだけは知っておきたい仏教用語
養老山 立國寺 出世観音 - 悟りへの道「四諦・八正道」
浄土宗ホームページ - なむちゃんの用語解説 煩悩
浄土真宗やっとかめ通信 - 仏教青年 Q&A 百八煩悩
広済寺オフィシャル・ホームページ - 百八煩悩について
法泉寺ホームページ - ひとくち法話 108の煩悩
濁川(だくせん)の仏教&人生論ノート - 現生にて往生する
瑞雲院法話のページ - 煩悩(ぼんのう)の話

*1:インドの仏教論書

*2:根本煩悩。修行によって消しうる煩悩を修行の段階に応じて列挙したもの。

*3:枝末煩悩(根本煩悩に伴って起こる従属的な煩悩)のうちでも重いとされるもの10種。

*4:この三毒が煩悩の根源(人間の諸悪の根源)で、とくにその中の痴(愚痴)すなわち物事の正しい道理を知らないこと、十二因縁の無明(むみよう)が最も根本的なものとされる。

*5:釈迦が悟りに至る道筋を説明するために、現実の様相とそれを解決する方法論

*6:正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念、正定の8つ。非苦非楽の中道(厳しい苦行やそれと反対の快楽主義に走ることなく目的にかなった適正な修行方法。)

*7:三界の各四諦により分け方が異なる。

*8:根本煩悩に伴って起こる従属的な煩悩。